<屁理屈をこねるな−1>
先日、小学生の生徒達との間で交わした会話に思うところがあり、今回はそのことについて書こうと思います。ちょっと内容が難しいので、覚悟して読んで下さい。
「こっちが何か言い返すと、親はすぐ『屁理屈を言うな』と怒る。」
そうこぼした生徒に、私はこんな風に言いました。
「どうしても納得できなかったら、その時の会話を書き出して、私に見せてみなさい。君が本当に正しいことを言ったのかどうか一緒に考えてあげるから。」
人は、自分の間違いを認めたくないという、弱さとずるさを持っています。親はそれを決して許しません。また、許してはなりません。
叱られて神妙に「はい、ごめんなさい」と言うのは苦しいことですね。その苦しみから逃げたいばかりに、人はしばしば「言い逃れ」をしようとします。「だって……。」
そんな時、多くの親はこう言うはずです。「言い訳をするな」「屁理屈をこねるな」と。
もっと見苦しい態度は「開き直り」です。「カンケーないじゃん」「聞こえませ〜ん」「だからなに?」。これをやったらゲンコツが飛んで来るかも知れません。「関係ないなら出て行け」と家から放り出されるかも知れません。
あなたの親は、自分の非を認めない、そんなあなたの「ずるさ」を叱っているのです。
さて、ここではっきりさせておかなければならないことがあります。
それは「言い逃れをする」ことと「言い分を伝える」ことの違いです。
何かの勘違いで、あなたが悪くないのに叱られてしまうことがあるかも知れません。親だって間違えることはあります。そんな時は「はい、ごめんなさい」と言う必要はないのです。自分が本当に悪くないのなら、それを説明するのは決して見苦しいことではありません。
一番いい方法は、誤解であることをしっかり説明して、わかってもらうことです。もしわかってもらえたなら、あなたの親はきちんと謝ってくれることでしょう。たぶん。
もしそれがうまく行かなかったら、家族の誰かに事情を話して相談してみるといいでしょう。
それでも解決できなかった時は、金属バットを振り回して暴れる……のはやめましょう。「ボク(ワタシ)は絶対に悪くない」と書き置きして家出……もダメです。どうしても気持ちが収まらない時は、私に相談して下さい。誤解を解くのを手伝ってあげます。
どうすべきか判断が難しいのは「自分も悪かったけれど、少しは言い分もある」という場合です。でも、親から叱られる時は、大抵このケースではないでしょうか。何か理由があって「つい」やってしまったことを叱られた場合、その「理由」を言いたくなる気持ちはわかります。
しかしこんな時は、やはり謝るべきです。言いたいことを言わずにおくのは辛いことですが、間違ったことをした罰と思ってあきらめる勇気も、時には必要です。
大事なのは、わずかな言い分を聞いてもらうことではなく、あなたが「つい」を繰り返さないことです。
(つづく)
2011年05月19日
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